住宅宿泊事業法(民泊新法)情報
概要 /
第一章 総則 /
第二章 住宅宿泊事業 /
第三章 住宅宿泊管理業 /
第四章 住宅宿泊仲介業 /
第五章 雑則 /
第六章 罰則 /
附則
平成29年6月16日 官報 号外第128号において
法律第65号として「住宅宿泊事業法」が公布されました。
平成30年6月15日に施行されました。
これまでは、旅館業法や国家戦略特区法+自治体の条例により認められていた、いわゆる「民泊」ですが、それらの他に、住宅宿泊事業法と言う新しい法律を定め、民泊に関連する3事業者について定めました。
違法、脱法的手段で民泊を行っている人(事業者)を取り締まれるよう、住宅宿泊事業者(部屋等を貸す人)、住宅宿泊管理業者(住宅宿泊事業者から管理の委託を受ける者)、住宅宿泊仲介業者(住宅宿泊の仲介やあっせんを行う者)を、届出及び登録制としました。
法律は、総則、住宅宿泊事業、住宅宿泊管理業、住宅宿泊仲介業、雑則、罰則の6章構成になっていますので、それに沿って以下ご説明して行きます。
条文の全てを記載するのではなく、ポイントをまとめて記載するので、詳細は条文でご確認ください。
(平成29年6月19日現在で「法令データ提供システム」に掲載されていませんので、衆議院の法案がより最終の法律に近いかと思います。当然上記官報には全文掲載されています。)
総則では、目的と定義が定められてます。
第1条は「目的」です。
観光旅行の宿泊をめぐる状況に鑑みて、住宅宿泊事業者を届出制、住宅宿泊管理業及び住宅宿泊仲介業を登録制ととして、観光旅行の宿泊に対する需要に的確に対応して、これらの者の来訪及び滞在を促進し、もって国民生活の安定向上及び国民経済の発展に寄与することが目的となっています。
第2条は「定義」です。
要は、この法律で使われる用語の説明ですね。
住宅、宿泊、住宅宿泊事業、住宅宿泊事業者、住宅宿泊管理業務、住宅宿泊管理業、住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業務、住宅宿泊仲介業、住宅宿泊仲介業者の定義がなされています。
その中でも注意しなければいけないのが「住宅」の定義です。
この住宅の定義に合致しない場合には、この法律での民泊はできないと言う事になります。
では「住宅」の定義ですが、条文を簡単にせいるすると下記のようになります。
@ 当該「家屋内」に「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」「その他当該家屋を生活の本拠として使用するため に必要な設備」を有するもの。
A 「現に」「人の生活の本拠として使用されている家屋」、「従前の入居者の賃貸借の期間満了後新たな入 居者の募集が行われている家屋」
B 「人の居住の用に供されている」と「認められるもの」
要は「人が普通に生活して使っている家」じゃないとダメですよ、と言う事です。
ただし、「その他の家屋であって、人の居住の用に供されていると認められるものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものに該当すること」という事も定められているので、当該省令で、普段は使っていない「いわゆる古民家」等が許容される可能性は十分にありますね。
ちなみに悪い例:プレハブ小屋立ててそこでやる。小屋数件立てて、トイレ風呂は屋外共同でやる等。
また、「宿泊」も定義されていて「寝具を使用して施設を利用すること」となっているので、「寝袋持参!」とかはダメと言う事になるでしょう。
まずは「住宅宿泊事業者」に関する章です。
第3条は「届出」です。
都道府県知事(住宅宿泊事業等関連行政事務を処理する区域の、保健所を設置する市又は特別区の長)に、住宅宿泊事業を営む旨「届出」をした者は、旅館業法第三条第一項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる。
とされています。要は「知事」か「市長」か「特別区(東京23区)長」へ届出をする事で、民泊ができますと言う事です。
届出をする際には、次の事を記載した届出書を提出しなければなりません。
@ 商号、名称又は氏名及び住所
A 法人である場合においては、その役員の氏名
B 未成年である場合には、法定代理人の氏名住所
C 住宅の所在地
D 営業所または事務所を設ける場合には、その名称及び住所
E 当該住宅の管理を委託する場合には、住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名等
F 当該住宅の図面
G 成年被後見人、破産、法令違反で禁固刑以上に処され、執行が終わってから3年経過していない事、暴 力団員等が関与していない事等の「誓約書」
H その他省令で定める事項(恐らく、当該不動産の登記事項証明書、成年被後見人として登記されていな い事の証明書、住民票、登記事項証明書等は求められるでしょう)
上記Fで図面が求められていますが、最初に書いた住宅の定義を満たしているかも確認するためですから、貸し出す部屋だけではなく、それこそ住宅(家)の図面が必要となりますね。マンション等であればそんなに大変ではないかもしれませんが、一戸建てだと図面作製経験が無いと大変かもしれません。
(ちなみに、私は高校では建築科でしたので、住宅の図面作製は慣れています!)
第4条は「欠格事由」です。
ここで定めている事に該当する者は、住宅宿泊事業を営んではならないとされています。
内容としては、一般的な許認可でも定まれているものです。
いくつか例をあげると、成年被後見人、被補佐人、破産の後復権を得ない者、関係法令により処罰されそれから3年を経過しない者、暴力団関係者等です。
第5条は「宿泊者の衛生の確保」です。
各居室の床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃その他の宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置であって、厚生労働省令で定めるものを講じなければならない。とされています。
(お金をもらい宿泊してもらうのですから、当然と言えば当然ですよね!)
第6条は「宿泊者の安全の確保」です。
非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全を確保を図るために必要な措置を講じなければならないとされています。
(これも当然ですね!過去にホテルや簡易宿舎で悲惨な事故(事件)がありました)
第7条は「外国人観光客である宿泊者の快適性及び利便性の確保」です。
「外国人観光客」である宿泊者に対し、届出住宅の設備の使用方法に関する「外国語を用いた案内」、「移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供」、「その他の外国人観光客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置」であって「国土交通省令で定めるもの」を講じなければならない。となっています。
読み解きますと、やらなければいけない事として次の事があります。
1) 設備の使用方法に関して「外国語を用いる」(何語を使うかは客層次第でしょう)
2) 宿泊場所からの交通手段(電車、バス、タクシー)などを使う場合の案内図などを外国語で作成
3) 快適性と利便性も求められているわけですが、これは各国の国民性があるので、ひとつの方法ではないでしょう
また、ホテルのように多人数を一気に宿泊させる事を想定しているわけではないので、趣旨を考えれば、宿泊する外国人の使う言語に合わせて、案内等で使う言語を変えて設置したりするのがよいでしょうね。
鍵と一緒に、タブレットを渡して、説明言語を切り替えて使ってもらう等すると便利かもしれないですね。
他との差別化にもなり、その分料金をUPしてもよいでしょうし。
条文の文言として外国人「観光客」としているのはちょっと絞り過ぎな気はしますよね。日本に住む外国人が観光以外の目的で使う可能性もあるわけで、その場合は適用されないの?とも読めます。
第8条は「宿泊者名簿の備付け等」です。
届出住宅その他国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、宿泊者の氏名、住所、職業等を記載し、知事の要求があった場合には、これを提出しなければならない。とされています。
これは、当然個人情報ですから、その扱いには注意が必要です。また、外国人であれば、パスポートの番号や国籍等の記載も当該省令で定められるかと思います。
第9条は「周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明」です。
住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、宿泊者に対し「騒音の防止」のために配慮すべき事項、その他周辺地域への生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項を説明しなければならない。
外国人観光客である宿泊者に対しては、外国語を用いて説明をしなければならない。とされています。
違法民泊などで問題となったり、特区などで民泊を行って問題となった出来事に対処するための定めですね。
観光客が多いでしょうから「旅の恥はかき捨て」的に過ごす人もいるでしょうし、テンションが上がって夜中まで騒いだり、ゴミを所定の場所に捨てなかったり等の問題に対処するため、説明の義務を課したものですので、単に「外国語」と書いていますが、やはり利用者の母国語で説明をする必要はあるでしょう。
第10条は「苦情等への対応」です。
第9条を受けて、周辺地域の住民からの苦情などに「適切」かつ「迅速」に対応「しなければならない。」となっています。
条文のとおり「努力義務ではなく」「義務」ですので、きちんと対応しなければなりません。
第11条は「住宅宿泊管理業務の委託」です。
住宅宿泊事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。
ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅管理業務を行うときは、この限りでない。
として、次の2つのパターンを挙げています。
@ 届出儒謳うの居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとし てもその「適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める居室 の数を超えるとき。
A 届出住宅に人を宿泊させる間、不在(一時的なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを 除く。)となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離その他の 事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずる おそれがないと認められる場合として国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く。)。
簡単に言うと、自分で管理しきれない量の部屋を貸す場合と、不在となる場合(買い物等の短時間は除く等でしょう)には、「一の住宅宿泊管理業者」に管理を委託しなければいけない。と言う事です。
当然、2部屋貸すけど、その距離が何十キロも離れているような場合は、数としては一人で管理できても、物理的に難しいとなるでしょう。
また、そもそも全てを住宅宿泊管理業者に委託している場合には、第5条から第10条までの責任は「住宅宿泊管理業者」が負うので、委託をしている住宅宿泊事業者には適用されません。
第12条は「宿泊サービスの提供契約の締結の代理等の委託」です。
宿泊サービス提供契約の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければならない。となっています。
契約を自分で直接しない時は、適当に代理させる事はできなくて、ちゃんと「住宅宿泊仲介業者」の登録を行っているところにさせなければいけないと言う事です。
第13条は「標識の掲示」です。
「届出住宅ごと」に、「公衆の見やすい場所」に、国土交通省令・厚生労働省令で「定める様式」の「標識を掲げなければならない。」
これは書いてあるとおりですね。
言い換えれば、この法律が施行された後は、この標識を掲示していない所で、特区法+条例や旅館業法の手続きを経ていない所は、「違法民泊」と言う事になります。
第14条は「都道府県知事への定期報告」です。
届出住宅に人を宿泊させた日数その他の国土交通省令・厚生労働省令で定めている事項について、定期的に、都道府県知事に報告しなければならない。とされています。
これも書いてあるとおりで、報告の義務があると言う事です。
第15条〜第18条は省略します。
14条までのことを「きちんとやっていれば」あまり関係ない部分です。
第19条は「住宅宿泊事業者に対する助言等」です。
観光庁長官は、住宅宿泊事業者に対し、インターネットを利用することができる機能を有する設備の整備その他の外国人観光客に対する接遇の向上を図るための措置に関し、必要な助言その他の援助を行うものとする。となっています。
これは、住宅宿泊事業者がやるべき事ではなく「観光庁長官」がやるべきことを定めています。
助言や援助とあるので、FreeWiFiやパソコン、タブレットの設置に関する助言や援助かと思います。
第20条、第21条も省略します。
ここまでが、概ね部屋を貸したい人(住宅宿泊事業者)に関係する内容でした。
どうでしょう?理解でしましたか?
次は「住宅宿泊管理業」に関する章です。
第22条は「登録」です。
@ 住宅宿泊管理業を営もうとする者は、「国土交通大臣」の「登録」を受けなければならない。
A 当該登録は「5年ごとに更新」を受けなければならない。
B 登録の更新を受けようとする者は、政令で定める額の手数料を納めなければならない。
となっていて、ここでは「更新」の時に手数料を納付としか定められていませんが、附則第6条で登録免許税の額(9万円)が定められています。
第23条は「登録の申請」です。
国土交通大臣に次の事項を記載した申請書を提出しなければならない。
@ 商号、名称又は氏名及び住所
A 法人である場合においては、その役員の氏名
B 未成年である場合には、法定代理人の氏名住所
C 営業所又は事務所の名称及び所在地
D 成年被後見人、破産、法令違反で禁固刑以上に処され、執行が終わってから5年経過していない事、暴 力団員等が関与していない事等の「誓約書」(第25条で定めている登録の拒否事由)
第24条は省略します。
第25条は「登録の拒否」です。
第23条のDで言っているような事が定められています。
判断能力に疑問のある人や、金銭管理に疑問のある人、暴力団員、罪を償って5年以上経っていない人、はダメですよと言う事です。
それと、やはり他人の財産(家)の管理を行う以上、なんらかの賠償が発生する事が考えられるため、国土交通省令で定める基準に適合する「財産的基礎」を有しない者もダメとなっています。
第26条〜第29条は省略します。
第30条は「名義貸しの禁止」です。
住宅宿泊管理業者は、自己の名義をもって、他人にその業務を行わせてはならない。
「名義貸しの禁止」は当然ですね!
第31条は「誇大広告等の禁止」です。
住宅宿泊管理業者は「著しく事実に相違する表示」「実際のものよりも著しく優良」もしくは有利であると「人を誤認させるような表示」を「してはならない。」
これも当然ですね!
第32条は「不当な勧誘等の禁止」です。
住宅宿泊事業者に対し「委託契約の判断に影響を及ぼす重要な事について」「故意に事実を告げす」または「不実のことを告げる」行為が禁止されています。
やはり、これも当然ですね!
第33条は「管理受託契約の<締結前>の書面の交付」です。
管理受託契約を締結しようとするときは、委託者(住宅宿泊管理業者である者を除く。)に対し、当該管理受託契約を「締結するまでに」、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるものについて、「書面を交付して説明」しなければならない。
これは一般的な管理受託契約と締結する前に、相手方に開示(説明)するものかと思います。
第34条は「管理受託契約の<締結時>の書面の交付」です。
管理受託契約を締結したときは、委託者に対し、遅滞なく次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。として6つ定めています。
@ 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅
A 住宅宿泊管理業務の実施方法
B 契約期間に関する事項
C 報酬に関する事項
D 契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容
E その他国土交通省令で定める事項
これは、契約の対象や契約した管理業務の内容など、当然の内容かと思いますが、国土交通省令で追加的に記載すべき事項が定められるはずなので、それらの記載を忘れないようにしましょう。
第35条は「住宅宿泊管理業務の再委託の禁止」です。
住宅宿泊事業者から委託された住宅宿泊管理教務の「全部」を他の者に対し、「再委託」してはならない。とされています。
条文を素直に読むと、全部はだめだけど一部はOKと言う事ですね。
考えられるのは、掃除や洗濯などを外部委託する等でしょうか。
第36条は「住宅宿泊管理業務の実施」です。
ここでは、法第11条第2項で住宅宿泊事業者に対し適用除外されたぶん、それを受託した管理業者がその責任を負うと言う事です。法第5条〜法第10条までの規定を準用すると言う内容です。
法第37条は「証明書の携帯等」です。
管理の業務に従事する使用人その他の従業員に「証明書」を携帯させなければならない。となっています。
第38条は「帳簿の備付け等」です。
「営業所又は事務所ごと」に、その業務に関する帳簿を備付け、「届出住宅ごと」に管理受託契約について「契約年月日」その他の国土交通省で定める事項を記載し保管しなければならない。となっています。
第39条は「標識の掲示」です。
「営業所または事務所ごと」に、「公衆の見やすい場所」に、国土交通省令でさだめる様式の「標識をかかげなければならない。」となっています。
第40条は「住宅宿泊事業者への定期報告」です。
住宅宿泊事業者へ定期的に報告しなければならない。とされています。
第41条は省略します。
第42条は「登録の取消し等」です。
本法令に違反する行為があった場合には「登録を取り消し」又は「1年以内の期間の全部又は一部の業務停止」を命ぜられる場合があります。
第43条〜第45条は省略します。
次は「住宅宿泊仲介業」に関する章です。
法第46条は「登録」です。
@ 「観光庁長官」の「登録」を受けた者は、住宅宿泊仲介業を営むことができる。
A 当該登録は「5年ごとに更新」を受けなければならない。
B 登録の更新を受けようとする者は、政令で定める額の手数料を納めなければならない。
となっていて、ここでは「更新」の時に手数料を納付としか定められていませんが、附則第6条で登録免許税の額(9万円)が定められています。
法第47条は「登録の申請」です。
観光庁長官に次の事項を記載した申請書を提出しなければならない。
@ 商号、名称又は氏名及び住所
A 法人である場合においては、その役員の氏名
B 未成年である場合には、法定代理人の氏名住所
C 営業所又は事務所の名称及び所在地
D 成年被後見人、破産、法令違反で禁固刑以上に処され、執行が終わってから5年経過していない事、暴 力団員等が関与していない事等の「誓約書」(第25条で定めている登録の拒否事由)
第48条は省略します。
第49条は「登録の拒否」です。
第47条のDで言っているような事が定められています。
判断能力に疑問のある人や、金銭管理に疑問のある人、暴力団員、罪を償って5年以上経っていない人、はダメですよと言う事です。
それと、「住宅宿泊仲介業を的確に遂行するため」の「必要な体制が整備されていない者」として国土交通省令でさだめるものと言うことが定められています。
法第50条〜法第52条は省略します。
法第53条は「業務処理の原則」です。
住宅宿泊仲介業者は、審議を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない。とされています。
法第54条は「名義貸しの禁止」です。
住宅宿泊仲介業者は、自己の名義をもって、他人にその業務を行わせてはならない。
「名義貸しの禁止」は当然ですね!
法第55条は「住宅宿泊仲介業約款」です。
@ 住宅宿泊仲介業者は、宿泊者と締結する「住宅宿泊仲介業務に関する契約」に関し、「住宅宿泊仲介 業約款を定め」、実施「前」に、「観光庁長官に届け出」なければならない。これを「変更」しようとするとき も、「同様」とする。
A 観光庁長官が「標準住宅宿泊仲介業約款」を定めて公示した場合において、住宅宿泊仲介業者が、標 準住宅宿泊仲介業約款と同一の約款を定めた場合には、第一項(上記)の届け出をしたものと「みなす」。
とされています。
法第56条は「住宅宿泊仲介業務に関する料金の公示等」です。
@ 住宅宿泊仲介業者は、宿泊者及び住宅宿泊事業者から受け取る、業務に関する料金を定め、これを 「公示」しなければならない。
A 上記の「公示した料金を超えて」、料金を「受け取ってはならない」。
とされています。
法第57条は「不当な勧誘等の禁止」です。
住宅宿泊仲介業者は、契約の締結の「勧誘」するに際し、又は「解除を妨げるため」、宿泊者に対し、契約に関する事項で宿泊者の「判断に影響を及ぼす」こととなる「重要なもの」につき、「故意に事実を告げず」、又は「不実のことを告げる」行為、その他「宿泊者の保護に欠ける」ものとして国土交通省令で定めるものは、おこなってはいけません。
法第58条は「違法行為のあっせん等の禁止」です。
@ 宿泊客に対し、法令に違反する行為を行うことをあっせんし、又はその行為を行うことに便宜を供与すること。
A 宿泊客に対し、法令に違反するサービスの提供を受けることをあっせんし、又はその提供を受けることに関し便宜を供与すること。
B 上記に関連及び類似する広告をすること。
C その他、宿泊者の保護に欠け、又は住宅宿泊仲介業の信用を失墜させる行為
等が禁止行為として定められています。
法第59は「住宅宿泊仲介契約の締結前の書面の交付」です。
住宅宿泊仲介業者は、住宅宿泊仲介契約を締結しようとするときは、宿泊者に対し、当該住宅宿泊仲介契約を「締結するまでに」、住宅宿泊仲介契約の「内容及びその履行に関する事項」であって国土交通省令で定めるものについて、「書面を交付して説明」「しなければならない」。
と定められています。
法第60条は「標識の掲示」です。
住宅宿泊仲介業者は、その「営業所」又は「事業所」「ごとに」、「公衆の見やすい場所に」、「国土交通省令で定める様式」の「標識を掲げなければならない」。(電磁的方法による公示可)
法第61条は省略します。
法第62条は「登録の取消し等」です。
@ 観光庁長官は、「住宅宿泊仲介業者」が法令違反等した場合には、一年以内の期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止を「命ずる」か、登録の取り消しをすることができる。」
A 住宅宿泊仲介業者が登録を受けてから一年以内に業務を開始せず、又は引き続き一年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる。
等(その他の事由も)定められています。
※国内事業者の場合は、国内法が直接適用されることから「命ずる」事ができます。
法第63条は「登録の取消し等」です。
@ 観光庁長官は、「外国住宅宿泊仲介業者」が法令違反等した場合には、一年以内の期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止の「請求」や登録の取り消しをすることができる。」
A 外国住宅宿泊仲介業者が登録を受けてから一年以内に業務を開始せず、又は引き続き一年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる。
等(その他の事由も)定められています。
※国外事業者の場合は、国内法が直接適用されないことから「請求」するという形になります。
法第64条〜法第67条までは省略します。
次は「雑則」に関する章です。
法第68条〜法第69条までは省略します。
法第70条は「省令への委任」です。
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、国土交通省令・厚生労働省令、国土交通省又は厚生労働省令でさだめる。
なんか同じこと書いているようですが、国土交通省令と厚生労働省令の両方で定めるものと、どちらかで定めるものがあると言う事を言いたい表現ですね。
法第71条は省略します。
次は「罰則」に関する章です。
法第72条〜法第79条まで定められており、20万円以下の過料から、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(併科あり)の罰則があります。
不思議といいますか、ある行為については罰則が設けられていません。恐らく経過措置等で何かしらの定めがなされるかとは思いますが。(誤解を招くといけませんので、当該行為については記述しません。)
最後は「附則」です。
この法律が「施行される前から」、「届出や登録申請が行える」旨、経過措置は「政令」定める旨、登録の際の登録免許税は9万円である旨、等が定められています。
旅館業法や特区法+条例で民泊を行うよりは、宿泊日数の下限の制限が無い事などを踏まえても、民泊を行いやすい法律になっていると思います。
とは言え、自治体であれば条例(地域規制)、マンションなどであれば管理規約等で「民泊禁止」を定められている場合には、やはり民泊は行えませんので、届出をする際には、きちんと確認してから行いましょう。
逆に、マンション等の管理規約で「民泊での使用禁止」を「定めていない」場合には、民泊での使用を止めさせる事ができませんので、管理規約の改正手続き等を行うようにしましょう。
民泊は観光客にとっては良い面、近隣に居住する方にとっては悪い面(商店街などの近くなら良い面もあるかもしれないですね!)がある場合があります。
しっかりと近隣住民の方々との関係を考慮して、実施するようにしましょう!
民泊制度運営システムを利用する事で、オンラインで民泊の申請を行うことができます。